は〜い!老いぼれフリーターのカタやんで〜す。「とよのマル秘情報ファイル」もめでたく第4弾。今日も元気に豊能障害者労働センター(以下、とよの労セン)の素顔をあばいていくぜ!


  今回は、リサイクル事業の舞台裏パート2。とよの労センには、創立の頃から30年余も続いてきた伝統の難行、チラシまき!がある。世間ではポスティングなどと舶来語を使っておるが、とよの労センでは昔も今もチラシまき!一本じゃ。一軒一軒こつこつとリサイクル事業について知ってもらうため地道な努力を続けてきた。

  ところが、このリサイクル事業、100円ショップの乱立や消費者のブランド離れが災いし今や崖っぷち、逆境に立たされておる。そんな厳しい現状を感じつつ、去年7月、ワシもスタッフのH君とふたりで初のチラシまき!に挑んだ。

真夏の炎天下。場所は蛍池界隈の住宅地。一度に1000枚のチラシを配って歩く。チラシの詰まった布バッグは重かった。バッグを持っているだけで汗が噴き出した。おまけにその日は夏一番の猛暑だったため、いきなり全身汗びっしょり。熱中症と背中合わせの生死を賭けた難行苦行とあいなった。

  灼熱地獄の昼下がり、入道雲を突き刺したかと思えるほどの高層マンションを見つけた時はうれしかった。「これでチラシの100枚や200枚は一挙に配ることができる。やったぜ、Hさん!」とワシが叫ぶ。H君もなんか言うたが聞きとれんかったが、「地獄に仏とはまさにこのこと。神のご加護じゃ、ズビズバ!」。

  が、しかし、現実は冷酷じゃった。郵便受けに記された非情な一文。チラシ、勧誘いっさいお断り。

「オーマイガッ!」

「このマンションはダメですよ。」H君は冷静だ。さっき何か言ったのはこれか。蜘蛛の糸がプツンと切れ、真っ逆さまに血の池へと転落したカンダタの思い、しかと受け止めたぞよ。ワシの目からは一筋の涙。

「どーしたんですか?」とH君。

「なんのこれしき、心の汗じゃ。」ワシは、そうウソぶいた。

血の汗流せ、涙をふくな、行け行けカタやん、どんとゆけ!炎天下の住宅街をさまようこと1時間30分。ワシもH君も脱水状態でヘロヘロじゃ。そこにこつ然と現れる清涼飲料水の自動販売機。

「救われた。神のご加護じゃ、ズビズバ!」。

「Hさん、なんか飲まへんけ?」

「のど乾いてるけどお金持ってない…」と答えるH君。

「オーマイガッ!」。ワシは絶句した。が、仕方ない。なけなしの300円を出して言う。

「なに飲む?」H君は答えた。

「○○レモン」。一番高いやつだった。なんてやつだ、遠慮ちゅうもんを知らんのか。プリプリ…

 

 こうしてチラシまき!は夏じゅう続いたが、年寄りは危いと思ったか、その後ワシに声はかからんかった。

 秋。台風による甚大な被害を乗り越え、スタッフ間の絆は深まった。

 冬。昼なお凍てつく北摂の町は日中でも摂氏1〜2度という日々が続いた。チラシまき!も続いた。スタッフは寒さをものともせず歩いて配って、ふるえながら帰ってきた。逆境がスタッフを強くする。これこそが労センの財産だ。胸の奥からこみあげてくる熱いものにワシは酔いしれていた。

 

 

 は〜い!オヤジ・フリーターのカタやんで〜す。「とよのマル秘情報ファイル」もようやく第3弾。これからも豊能障害者労働センター(以下、とよの労セン)の素顔をじゃんじゃんあばいてやるぜ。今回は、とよの労セン、リサイクル事業の拠点、箕面4丁目にある「ピンクポコペン」に潜入じゃ!

 さて、とよの労センは、様々な事業を手がけておるが、その1つがリサイクル事業。リサイクル品は、すべて一般の方々からご寄付いただいたもの。みなさんのご厚情には深く感謝じゃ。このリサイクル品を集約、仕分けしているのが「ピンクポコペン」。30年前には、スーパーマーケットだったという超弩級の年季が入った建物を、店舗&倉庫として再利用したという、これぞリサイクル魂さく裂の店である。

 店名の由来は、中国語のプウコオピエン(元値に足らず)という言葉からきているらしい。原価を割ってでも商品を買ってもらおうという見上げた心意気だが…実はしかし、隣り町の池田市に「ぺんぽこハウス」という変てこな名まえの店があり、その名まえをまんまパクって逆にしただけという衝撃の証言も入手済みじゃ。

かくもうさん臭く、謎に満ちた店、「ピンクポコペン」には、いつかとんでもない事件が起きそうな怪しい気配が漂っておった。

 

 

  日曜・祝日の休業日以外は毎日、眠れるお宝の数々を、店と倉庫が一体となったピンクポコペンのバックヤードで、スタッフが仕分け値付けをしておる。地味で目立たない実に根気のいる作業じゃ。万事がええ加減で大ざっぱなワシには到底マネできぬ仕事じゃわい。

 そんなピンク倉庫にとうとう悲劇は訪れた。

 2017年10月22日、近畿地方に最接近した大型の台風21号が、倉庫に牙をむいたのじゃ。トタン屋根が飛ばされ倉庫は水びたし。かなりの量の在庫が売り物にならなくなった。惨状の中、ある者は茫然と立ちつくし、ある者は泣きながら後片づけを始めたが、商品を寄付してくれた方々に申し訳なく思う気持ちに押しつぶされ、スタッフはみな働く意欲を失い、そして途方に暮れた。

 そんな時じゃった。ずぶ濡れの倉庫で衣装ケースにたまった雨水をバケツで掻き出し、雨水が流れ込む床をただ黙々と拭き続けるスタッフの存在。朝は一番に出勤し床を拭き、夜は最後まで後片付けをやめなかった大男、H君。ポッキリ折れたみんなの心は、彼のひたむきさに救われて、リサイクル魂は蘇った。

◉屋根のトタンがふっ飛び、倉庫の中は水びたし 

 

 明けて2018年1月10日、台風襲来から79日後、倉庫は復旧し通常営業にもどる。屋根は大家さんのご厚意で以前よりもきれいになった。そして、倉庫のスタッフたちは、これまでよりほんの少し太い絆で結ばれた。

 地道な作業を厭わないスタッフのおかげで、昨日も今日も、そして明日も店は開き、プウコオピエンで超お買い得品を販売できる。実にありがたいことじゃ。最後にもう1度、商品をご提供くださったみなさまに深謝。

 次回も「ピンクポコペン」の続報をお届けするぞ。乞うご期待!

 

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