奇跡の結晶
今年も夏がやってきた 、イェイ!
夏といえば、お盆じゃ。お盆といえば墓参り。逝きし人を偲び、憂き世の非情を噛みしめる。ああ、ワシもお盆が切ない齢となった。長いようで人生とは短いものじゃ。
短いといえば、豊能障害者労働センター(以下、とよの労セン)じゃ。ワシが、とよの労センでアルバイトを始めてはや3年。光陰矢のごとし。月日の経つのは早いもんじゃ。3年などあっという間じゃった。実に短い。よくぞクビにならず、今日までやってこれたものじゃ。偉いぞカタやん、あっぱれカタやん。身体のあちこちガタがきだした老体に、わが手でムチ打ちポジティブシンキング。咳をしてもひとり…か。切ない。
とは言うものの、この3年間は確かに有意義ではあった。とりわけ印象に残るのは、はちみつお茶せっけん『かがやく』の誕生じゃ。構想8年、実際に製作に着手してからは丸2年。ワシにとっては、人生最初にして最後のメモワールじゃった。生きた証。偶然の連続の末に導かれた奇跡の結晶、それが、はちみつお茶せっけん『かがやく』なのである。
ワシは、この石けんを、4月から使い始めてすでに6個、使いきった。月に1個半のペース。朝晩2回のバスタイム。胴体はもちろん顔も頭もすみずみまで洗い磨く。あの瞬間が待ち遠しくてたまらんぞ。身も心も全身が洗われるような気分じゃ。ま、実際洗っとるわけだから、まんまと言えばまんまじゃが。
はちみつお茶せっけん『かがやく』。洗いあがりがはスッキリさわやかなのに、汗がひくとあら不思議、しっとりもっちりするから驚き桃の木じゃ。ワシが思うに、これは高品質な生はちみつと、無農薬・自然栽培茶の底力のおかげ。さらにティーオイルのウルトラ・パワーのなせる業にほかならない。これはもちろんワシ個人の感想じゃ。
この石けんを使った人からのうれしい感想もたくさんいただいておるから、さっそく、Yさんという40歳代の女性から送られた印象深いコメントを紹介させていただこう。
Yさんは、オーディオエンジニア、音の専門家じゃ。タレントがママチャリに乗ってぶらり旅をするという、ありがちなバラエティ番組の仕事で知り合った。2度ほどスタジオで会った半年足らずのだけの薄っぺらいつきあいじゃったが、フェイスブックでこれまた形式的な友だちにしてもろうた。その後ちょくちょくフェイスブックを通して、近況なども聞き及んでおった。運がよければ年に1〜2度、いいね! をし合う程度の他人行儀な関係だったのじゃが、今年の5月末、ワシが『かがやく』のことをフェイスブックで紹介したところ、Yさんが唐突に『買いたい』とメッセージを送ってくれたのじゃ。やったね!
さっそく石けんを試してくれたYさんは、その翌日、自分のフェイスブックで以下のような感想を語ってくれた。
以下、Yさんのフェイスブックより抜粋させていただく
6月11日
ボディーソープより石鹸派です。ボディーソープは何かカサつくのよね。物によるだろうけど。
「はちみつお茶せっけん かがやく」。ネーミングにオシャレ感はない(笑)
奈良で無農薬・自然栽培された緑茶と、なかなか採れない茶実油に、奈良の高級生はちみつ、「大和の雫」をブレンドして、大阪にある「桶谷石鹸」の桶谷さんが昔ながらの釜炊き製法にこだわって作っているらしい。桶谷さん、ザ・職人。
一切の合成化合物を使用せず、天然の素材と対話しながら作ってるって。
「素材を生かし切らないとせっけんに叱られます!」by.桶谷さん
もう桶谷さんが天然素材。
いや、うんちくはどうでもいい。使い心地がどうかということ。
今日初めて使ってみた。洗いあがりにしっとり感あり。匂いは特になし。
髪も洗ってみた。石鹸1個で体全部洗えたら、お風呂場すっきりするし(笑)
泡立ちよし。泡を流すときシャンプーリンスのぬるぬる感がないので手触りがキシム感じになるが、タオルドライしたあとは全くキシム感じなくしっとり柔らかい感じ。
いいかも!
せっけんは1個450円。3個だと1200円。しかも税込。べらぼうに高いわけじゃない。
気になったら試して見て。
あれから3週間。Yさんからうれしい第2報も届いたぞ。
石鹸、私の肌にいいみたいです。
部分的に乾燥して、かいてかいて、色素沈着して、クリーム塗ってもカサカサで治らなかったところ、大分きれいに普通に戻ってきました。
おお、それはなによりじゃ。一人ひとりの肌にそれぞれのいいことがありますように。
が、しかし、なにぶんこじんまりと口コミに頼っての石けん販売のため、売り上げもスローモーション映像を見ているようで、おまけに価格が1個400円。はちみつ石けん売るよりはちみつそのものを売る方が利益が大きい、という途方もなくお人よしの石けん販売じゃ。
ならば、なぜゆえにそこまでワシが石けんに入れ込むのか?
その理由は2年前にさかのぼる。とよの労センのSさんから初めてオリジナル石けんの開発計画を聞かされたとき、まっさきにワシがイメージしたのは、未来のとよの労センで働く障害者スタッフの姿じゃった。
ワシには、こんな情景が目に浮かんだ。15年後の事業所には、石けんの注文が押し寄せておる。それを日々一所懸命、受け付け、発送していく障害者スタッフ。やがて月末には、そこそこの給料に反映されていく。それは決して、5,000円とか10,000円といった、雀の涙のような工賃ではない、ちゃんと一ヶ月働いた証しとしての堂々たる報酬じゃ。
固形石けんは、サイズも重さもコンパクト。障害者が取り組む作業には実に適した、もっとも現実的な商品といえる。洗浄力と保湿力のせめぎ合いの中、たどり着いた終着点が、せっけん『かがやく』じゃ。お茶と生はちみつパワーが高い完成度でひとつに結実したことが、ワシは心底うれしいんじゃ。希代の石けん職人、桶谷正廣氏と知り合えたことも大きな財産。一生のうちそう何度もない貴い出会いに恵まれた幸運には感謝の言葉しかない。まさに奇跡の結晶。みなさんも是非、『かがやく』で、至福のバスタイムをご堪能いただきたい。心より数奇な出会いに感謝しつつ。
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カタやんのとよのマル秘情報ファイル No.12
はちみつお茶せっけん「かがやく」
夏が近づくと、ワシはがぜん石けんが恋しくなるんじゃ。そのわけは、ワシが汗っかきだからじゃ。汗をかいたあとは思いっきり泡まみれになって体全体をすみからすみまできっぱり洗い清めたい。それがワシの夏イチの快感なんじゃ。
ワシは、豊能障害者労働センター(以下、とよの労セン)でナンバー1の汗っかきと言っても、決して過言ではない。なぜなら、ワシは1日に平均、3〜4リットルの水分を取る。水の飲み方が半端ないんじゃ。水といっても、そのほとんどはお茶である。しかも無農薬・自然栽培のゆっくりと茶。たまにコーヒーを飲まぬでもないが…。飲むときは、1回1リットル程度。ワシのティータイムは、リットル単位じゃ。以前は、本場中国の濃黒ウーロン茶に、インドやスリランカ産の紅茶を好んでがぶ飲みしておったが、無農薬・自然栽培茶を知ってからというもの、栽培過程がよくわからぬお茶を飲むのが不安になり始めた。心の奥の片隅に芽ばえたささやかな気づき。無農薬・自然栽培茶に魅かれるいちばんの理由、それは、素朴さじゃ。素朴は強いぞ。飲んでも飲んでも飽きない芯からのうまさがある、みなさんもぜひ一度飲んでみそ。
かくいうワシ自身も、人間としてはかなり素朴な部類に属していると思うのじゃが、しかしながら、素朴であるにもかかわらず、誰からも慕われぬ、ひとりっきりのさびしい人生じゃ。きっとワシは周囲の人々から退屈な男と思われているのじゃろう。心折れる日々。はあ、孤独じゃ…
いかん、気を取り直そう。誰からも愛されぬワシじゃが、ワシは平気じゃ。なぜならワシにはこよなく愛するものがあるからのう。
それは、固形石けん!じゃ。ゆえにわが家の風呂場には、お気に入りの固形石けんが常時4種類以上は、買いそろえてある。これらの石けんが、比較的最近までラグジュアリーなバスタイムを演出してくれておったのじゃ。
左端がはちみつお茶せっけん「かがやく」
そもそも、なぜ固形石けんがいいのか?
考えてもみよ、ポンプ式の液体ソープ。押すだけでニョロニョロ、ピュッピュッと石けん液が飛び出してくるなんて、まったくもって軟弱極まりなしじゃ。つまらぬ。実につまらぬ。
「そこが便利なんやないの、泡立ちもめっちゃいいし…」という最近、巷間、テレビCMに毒された一般大衆の民意。まったくわかっておらぬ、なにもわかってはおらぬぞ、みなの衆。
考えてもみよ、液体ソープの泡立ちがよいのはなぜか?それは泡立ちを良くする化学物質が入っておるからじゃろう。
さらに、いつ使ってもピュッピュッとドロッとした石けんが飛び出すのはなぜか?
考えてもみよ。細い管のなかで、石けん成分が濃縮し、あるいは凝固し、あたかも便秘症状のごとく、かちんかちんに詰まってしまっても全然おかしくないはずなのに詰まらないのは、詰まらないようにするための化学物質が混ぜてあるからじゃろうが。そんな化学物質にまみれたバスタイムなど糞喰らえ。
どっぷりと固形石けんライフに溺れる孤独なワシの楽しみ…。
夜のとばりが降り、深い深い夜のしじまにつつまれる頃、べっとり汗をかいたワシの体をやさしく包みこむ石けん選びほど心おどる時はない。石けんの香りに酔いしれて洗浄という名の泡パワーに全身くまなく泡まみれ。その心地よさこそが、お風呂の醍醐味じゃと、ワシはこれまで信じて疑わなかった。
ところがじゃ、青天の霹靂。ところがじゃ、青天の霹靂。今年5月、ある出会いが、ワシの固形石けんライフを一変させた。この写真、とよの労センが、大阪市城東区で匠の技を今に伝える伝説の石けん職人、桶谷正廣さんに依頼して、試作すること6回、2年がかりで完成させた「はちみつお茶せっけん『かがやく』」にワシの素肌はわしづかみにされたのじゃ。
緑茶の殺菌・洗浄効果と、はちみつのしっとり感。さらに茶実油(ティーオイル)がやさしく素肌を保護してくれる驚きの石けん。化学合成された添加物はいっさい使わず、ゆえに石けん使用後の汚水は24時間で水中の微生物により分解され、自然環境にも深く配慮した石けん 2019年5月に発売されたばかりのこの石けんを使ったとき、ワシの石けんライフに新たな1ページが加わった。そもそもワシにとって石けんとは、その時々の気分に合わせて使うものじゃとずっと思い込んできた。石けんは嗜好品であると。ところが、この「かがやく」はぜんぜん違った。
真っ向勝負で、洗った人の素肌を虜にする。洗った直後は、さっぱりスッキリ。ぞくぞくするほど気持ちがいいのに、風呂を出て汗の引いたその素肌がなんとも湿っとりしていると、はじめて気づくのじゃ。しかも決してべたつかず、保湿力は続くよいつまでも。
ワシは、石けん「かがやく」販売のまわし者じゃが、決してまわし者だから言うのではない。その道20年の石けんウオッチャー、熱烈石けん愛好家、自称石けん博士が言うておる。
釜炊きの固形石けんは硬い。石けんは硬いほうがいい。
「硬さはナイスガイの魅力である。魅力のないカタブツは孤独じゃ(涙)」byカタやん。
以来、ワシは、
体も顔も頭髪も「かがやく」で洗わなければ、すっきりできない人間になってしもた。正真正銘の釜炊き枠練りの化学物質無添加の石けんぞ。この石けんには、自然栽培緑茶と、完熟生はちみつ、そして、ティーオイル(茶実油)の3種類が石けん素地に混ぜられている。しかし、洗浄と保湿、相反するふたつの働きがいくつもの偶然から実を結んだ完全オリジナルのクラフトマン・ソープ、それが「はちみつお茶せっけん『かがやく』」じゃ。
さて気になるお値段は?なんと3個セットで1,200円。1個あたり、消費税込み400円!という大出血サービス価格じゃ。よそ様の石けんと比べても品質では決して引けをとらぬ。いや品質は断然いい、値段はめちゃ安、コスパ抜群、洗顔用にも、お風呂にも、なにより洗髪にもおすすめじゃ。
なにを隠そう、20年前ワシは、某有名洗顔石けんのテレビショッピング番組のスタッフのひとりじゃった。今は孤独なフリーターじゃが、それゆえ石けんを語りだすとつい熱くなってしまう。
そんなワシが人生の終わりを目前に、とうとう心から人に勧めることの出来る石けんに出会うことができたこと、うれしい。本当にうれしい。みなの衆、さあ「かがやく」買って風呂場へ行こう!
「耕心茶を語る」(後編)
カタやんのとよのマル秘情報ファイル、今回は「耕心茶(こうしんちゃ)を語る」の後編じゃ。前編では、豊能障害者労働センター(以下、とよの労セン)の看板商品「ゆっくりと茶」、その中でもひときわ異彩を放つ耕心茶について熱く語った。
「耕心茶」発売までの長い道のり、マクロビオティックのお茶として知る人ぞ知る、知らない人はぜんぜん知らない耕心茶への募る思いを激白させていただいた。
今回も突っ走るぞ。そもそもこの耕心茶は、奈良県で自然農に取り組む「健一自然農園」が作っているお茶じゃ。耕心茶は、マクロビ(長寿法)の「三年番茶」を、伊川さんが独自の手法で収穫、焙煎を行い、三年間という歳月をかけ作りあげている。
伊川さんの自然農は、奈良・大和高原の厳しい自然の中、土を耕さず、農薬や肥料も必要とせず、草や虫たちを敵としない、ただただゆっくりと『いのちの営み』にひたすら沿うというお茶作りじゃ。耕心茶の茶樹は、3年間、茶畑で育ち放題、伸び放題。この茶樹を幹ごと根本からバッサリ切り落とし、小枝や細い幹もいっさいがっさい粉砕しチップ状にして、薪火で丁寧に焙煎される。ゆえにその味わいは、甘く香ばしい。
3年間育てた茶樹の高さは2m超
細かく粉砕され薪火で焙煎
薪火焙煎がうまさの秘密
耕心茶の茶葉
「耕心茶」(無農薬・無肥料)
耕心茶の代表的な効能は、からだを温めるというものじゃが、その背景には茶樹の刈り取りを冬期に行っていることと深く関係する。冬になるとお茶の木は、幹や枝葉に栄養をためていく。そこを狙って茶を刈り取る。冬の根菜が人の体を温めるのと同様、耕心 茶の幹や枝葉も心と体を温めるというわけじゃ。
そんな伊川さんのお茶への想いが、2018年12月、産経新聞夕刊に連載された(2018年12月10日〜14日)。
その骨子は、?、大和高原の耕作放棄地で自然栽培を行っていること。畑の土は3年〜5年間放置すると農薬の影響が徐々に消え、無農薬栽培にふさわしい土となる。さらに肥料を入れず、余分な有機物を外から持ち込まないゆるやかなお茶づくりをめざす。
?、冬の刈り取り作業が中心の「耕心茶」(三年晩茶)は、冬季に仕事の無くなるお茶作りに、一年を通した仕事を生みだし、若者が都会へ流出するのを防ぎ、過疎の地域を働く場所にする。
産経新聞より
伊川さんは、「耕さず、農薬、肥料も必要とせず、草や虫たちを敵としない。ただゆっくりと、いのちの営みにひたすら沿う」というお茶作りを続けている。それは、ありのままの個性を大切にともに支え合って生きるとよの労センの働き方ともピタリと一致する。
それゆえとよの労センは、耕心茶以外にも、伊川さんが作ったお茶をゆっくりと茶というブランドで数多く販売させていただいておる。ご覧のとおりじゃ。
ゆっくりと茶 各760円
ゆっくりと茶は、今のところ8銘柄。煎茶、ほうじ茶、春の番茶に春のほうじ茶。さらに玄米茶、和紅茶、烏龍茶、そして耕心茶じゃ。
そんな素敵なお茶をとよの労センは、各760円の統一料金で販売しておるぞ。
このお茶事業において障害者スタッフたちは、形や大きさが違う茶袋にオリジナルのラベルを一枚一枚ていねいに手貼りする。誰がやっても同じ場所に正確にへラベルを貼ることのできるプラスチック製のスケールを開発することで、障害者スタッフの完成度の高い作業を可能にした。が、しかし、玄米茶だけは健一自然農園が販売する既存のパッケージで販売しておる。いまだオリジナルラベルがないのは、玄米茶の売上げがいまひとつ伸び悩んでおるからなのじゃが、ワシとしては一日もはやく玄米茶のとよの労セン、オリジナルバージョンを拝んでみたい。そのためにもみなさんのご協力を切にお願いする次第じゃ、よろしくお頼み申す。
今はただ、これらのお茶をひとりでも多くの方々に飲んでもらい、自然農の根っこにある生き方を知ってもらいたい、感じてもらいたいと思うのじゃ。
それは、飲めばわかる。わからなければ、また飲む。飲めばわかる。飲まなければ永遠にわからない。太陽と風、雨と土、鳥や虫たち。大きな自然が育てたお茶があることを。
I Love 耕心茶120g 760円
マクロビオティック(長寿法・通称マクロビ)の考え方に基づく身体が芯からあたたまるという陽性の飲み物、「三年番茶」を、とよの労センが「耕心茶」と名づけて絶賛販売中。
詳しくは、ファイル No.10もご参照くだされたし。
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「耕心茶を語る」(前編)
今年最初の「とよのマル秘情報ファイル」は、新しき年の始まりにふさわしく、この言葉から始めさせていただこう。「あけましておめでとう。」「ハッピー・ニュー・イヤー!」「フローレス・ノイエス・ヤール!」「ヘリ・ザ・ムワカ・ムピャ!」「ボナネ!」…
名も無きアルバイトに過ぎぬワシが、「豊能障害者労働センター」(以下、とよの労セン)で3回目の正月を迎えることができたことは、ひとえにワシの人徳によるものじゃろう。その実つい、ああでもない、こうでもないとつべこべ抜かし、うっとうしいヤツや、めんどくさいヤツじゃ、うざいっジジイめ!と専従スタッフから事あるごとに疎まれて、かのムンクの名画「叫び」の如く、耳ふさぎ、くちびるツンととがらせて、ひたすら耐え抜いたワシ。石の上にも三年じゃ。感慨ひとしお、じんとくる。さあ今年も、舌ぽう鋭く、狙いすました視覚・嗅覚・錯覚でガンガン攻めまくり、とよの労センに大波乱を巻き起こしたるぞい!以上、年頭挨拶おわり。
さっそく本題じゃ。「とよのマル秘情報ファイル?10」、今回はお茶大好きオヤジ、カタやんが「耕心茶を語る」の巻。2年にわたる潜入取材の末、ついにつかんだ衝撃の事実を暴露しよう。
が、その前に、とよの労センのオリジナルブランド、「ゆっくりと茶」について手短に説明させていただこう。そもそも「ゆっくりと茶」とは、5年前にとよの労センが販売を始めたお茶のことじゃ。なぜ、とよの労センが、お茶の販売を始めたか。そこには、障害者と健常者がともに働き、生き抜くための戦略があった。果たしてその戦略とは。
?「1年を通して注文が途絶えない商品を選ぶ。軽くてコンパクトな形状で梱包や発送が簡単なもの。そんな商品があれば、きっと障害者と健常者が一緒に作業できる。」
そんな商品がお茶なのである。
?続いては、「特徴あるお茶を見つけ出すこと。産地はどこ?いったいどんなお茶を売りたいのか?」
その答えは、「人に優しく自然にも優しいもの。無農薬であることは必須条件。誰もが知っていて、どこでも買えるというようなありふれたお茶ではなく、しかし、品質は抜群にいい。」
ベテランスタッフSさんによると、初め日本一の茶処、静岡のお茶を候補に考えたらしい。しかし出来ることなら、地元関西のお茶にしたいと欲をかいたものだから、お茶探しは迷走する。関西の銘茶といえば京都の宇治茶や滋賀の朝宮茶、少し遠方だが三重の伊勢茶も有力候補じゃった。新規に参入する以上、なによりもおいしいお茶でなくてはならぬ。もちろん特徴があり個性にあふれ、魅力バリバリのお茶でありたい。値段も手頃で、できることなら農薬は控えめ、肥料も化学肥料よりは有機肥料が望ましい…と、そんなお茶が簡単に見つかるはずもなく、なんと1年、2年と無情に時は過ぎ去っていった。
そんなある日、途方に暮れたSさんが、気まぐれに、たまたま偶然インターネットでヒットしたのが「人気の茶処ランキング」。なんと奈良県がベスト5だったか、ベスト10だったかにランクインしておった。
「奈良県か、それええやん。」Sさんは思った。そこで手あたりしだいに奈良のお茶を検索したSさんじゃが、やはり心ときめくお茶には出会えなかった。
「そうや、確か奈良の取引先がオリジナルのお茶を販売してはったわ。ひょっとして、もしかすると、そこに聞いたら糸口が見つかるかもしれへん…」。ダメもとでSさんは、取引先に問い合わせてみた。
ビンゴ!とよの労センの取引先が扱っていたお茶は、なんと無農薬。しかも化学肥料はもちろん有機肥料さえ使用しない自然栽培のお茶じゃった。
「自然栽培?それってどんなお茶?そもそも健一自然農園って、なんやのん???」
さっそくSさんは、健一自然農園のホームページを開き、すみずみにまで目を通す。
「ここイケるんちゃう…」Sさんは思った。農園の代表者、伊川健一さんの若年ながら可能性に満ちた生き方に賭けてみようと決めた。人も鳥も虫も自然の中の一員であるという考え方から生まれるお茶。とよの労センの自然志向の考え方ともピタリと一致した。すぐに商品を買い求め、味を確かてみる。
「イケる。」 2014年7月、ついに、とよの労センは、健一自然農園の春のほうじ茶と和紅茶ティーバッグの販売を始めた。お茶販売の構想から4年の歳月が流れていた。
さらに2年後の2016年4月、今回のテーマ、「耕心茶」を発売。「耕心茶」は、煎茶、ほうじ茶、番茶など、だれもが知る日本茶とは一線を画しつつも、知る人ぞ知る謎のお茶として人気を博している。
ゆっくりと茶のラインナップは、煎茶、ほうじ茶、春の番茶、和紅茶、そして、耕心茶の5種類。その中で、なぜ「耕心茶」なのか?その理由は、茶葉にある。
写真A「耕心茶」(無農薬無肥料)
この写真が、「耕心茶」の茶葉。茶葉というよりも、まるで木材チップじゃな。小枝や粉砕された幹の間に辛うじて茶葉が紛れておる。お茶と呼ぶにはあまりに見た目は漢方薬っぽい。あたかも布袋に詰めて煎じ薬用の土瓶でぐつぐつ煮込むイメージ。
実はこの「耕心茶」、もともとはどんなお茶かというと、健康で長生きするという意味のギリシャ語から生まれたマクロビオティック(長寿法・通称マクロビ)の考え方に基づくお茶である。マクロビ関係者は、このお茶を「三年番茶」と呼び、体を温める効果のある「陽性の飲み物」としている。製法に特徴があり、3年間育てた茶樹を幹ごと刈取り焙煎。さらに熟成させて完成させる。たいへん大雑把な言い方が許されるなら、「三年番茶」は、3年間、手間ひまかけたほうじ茶の大親分みたいなお茶と考えてもらうと理解していたがけるだろうか。身体を温めてくれるということで、女性の間では絶大な人気を博しておるそうじゃ。
この「三年番茶」にヒントを得た伊川さんが、独自の製法で商品化したのが「三年晩茶」じゃ。その「三年晩茶」をとよの労センは、「耕心茶」という商品名で販売させてもらっておる。
ワシはこの「三年晩茶」=「耕心茶」が大好きじゃ。甘美なる魅力が、このお茶にはある。つまり「耕心茶」の本質は、愛なのじゃ。LOVEじゃ。♪愛、燦々と、この身に落ちて〜。
そもそも三年晩茶の頭文字の三という数字からしてパワーのかたまりじゃ。3と言えば、大ヒット曲「愛燦々」のサン。「愛燦々」の歌は、現在も日本歌謡界に燦然と輝き、絶賛されている。絶賛の賛もまた、サン(3)じゃ。サンのパワーは日本国内だけにとどまらぬぞ。地球の裏側、ブラジル。愛と情熱の踊り、サンバのサン。全世界で1年1度訪れるハッピークリスマス。やってくるのはサンタクロース。こちらもサン(3)。
3のパワーを証明するものは他にもある。御三家のサンじゃ。80年代アイドル御三家、松田聖子さん、中森明菜さん、小泉今日子さん。この3人、いずれ劣らぬパワーの固まりじゃ。他にも三種の神器のサン。三三九度のサン。オリンピックのメダルの数も金銀銅の3つだけ。実に3には絶大なるパワーが秘められておる。
しかし、最強の3は、やはりこの数字じゃろう。背番号3、ミスタージャイアンツ、長嶋茂雄さんじゃ。地球上にこれ以上のパワーが存在するだろうか?
ゆえに、三年晩茶(「耕心茶」)も、決して侮れぬ3のつくお茶ということで、この続きは後編のお楽しみじゃ。
次回予告
次回は、三年晩茶の「耕心茶」のパワーの秘密と、お茶に込められた生産者、伊川健一さんの覚悟。さらに、そのお茶に魅せられたとよの労セン、それぞれの想いをご紹介しよう。ご期待ください。
ちなみに、「耕心茶」の茶木は、3年間栽培され、薪火で焙煎される。その味は、淡麗甘口じゃ。
3年間育てた茶木高さは2mを超す 木製チップのように粉砕され薪火で焙煎される
薪火焙煎がうまさの秘密 We Love 耕心茶120g 760円
]]>「そしてワシは途方に暮れる...茶味礼賛 第4煎」
この夏ワシは、春の番茶の水出し一辺倒じゃった。きっかけは実にささいなことで、確かあれは7月末頃のことじゃった。
クソ暑い悪夢のような夏が始まろうとしていた。ワシは来るべき酷暑の季節にそなえ、ほうじ茶に煎茶や和紅茶と、夏を乗り切る2018年夏のお茶を探し求めておったんじゃがこれというのが見つからない。どのお茶もワシの心ぽっかり空いた穴を埋めることはできんかった。
ワシのガラスのハートにぽっかりあいた穴。それはもちろん6月に大阪北部を襲った大地震。阪神淡路の巨大地震を体験したワシは、まさか2度までもうんざりするような災厄に見舞われるとは思ってもいなかった。うかつじゃったと悔やんだところであとのまつりじゃ、どうにもならぬ。ワシの部屋は、ワシの腰あたりまで崩れた本で埋め尽くされ、机の上にもうずたかく本は押し寄せた。そしてワシは途方にくれた。今ワシは、本に埋もれながらも九死に一生を得たノートパソコンでこのブログを書いておる。
思い返せば23年前、総崩れした本の山の前でワシは決意したのではなかったか。「もう2度と恋などしない」と…。本に恋し紙の海に溺れる愚とはキッパリ縁を切ったはずじゃった。にもかかわらず、性懲りもなくワシはふたたび本に埋もれた部屋の前で立ちつくし、そしてワシは途方にくれる。
この日以来、欠かさず飲んでいたゆっくりと茶が、何を飲んでも、どんな飲み方をしても以前のように美味しいとは思えなくなってしまった。それでもなんとか夏序盤の猛暑は、冷たい水出し煎茶で乗り切った。水出し煎茶の味わい深さについては、前々回のブログ#7「何も言えなくて、夏の煎茶」に詳しく書いておるからご参照いただきたい。
が、そこまでじゃった。7月末にワシの心は折れた。日々、茶葉の量は増し、濃いお茶に傾倒していくが、いくらお茶を濃くしてもワシは満たされない。夏はまだこれからじゃという時にワシの心は折れた。濃い〜耕心茶で心に喝を入れてみようとしたが、健康茶の代名詞、お茶の中のお茶、お茶ワールドのホームラン王、耕心茶をもってしてもワシの心は癒せなかった。大阪北部地震でずたずたになったワシの心に必要なのは、ガツンとくる刺激じゃと、ワシは思いこんでしまっていった。
そこで「ゆっくりとほうじ茶」をふだんはさっぱり甘みも楽しみながら飲んでおったのじゃが、この時だけはすこぶる濃い目にして深く煎じて飲んでみた。ガツッときて悪くはなかったが、なにかが足りない…
さあ、こまった。どないしたらええんやろう?汗だくになりながら、崩れた本の山を整理していた休日の昼さがり、ワシはすべてが面倒くさくなって、なにもかもがどうでもよくなって、やけっぱちで春の番茶の茶葉をケチくさく、ほんのひとつまみだけボール茶こしに放り込み、2リットルのヤカンに入れた。なみなみと水を満たして。春の番茶は水出しにすると血糖値を抑える成分、ポリサッカライドが抽出されると注目のお茶であった。
待つこと15分。グラスにそそぎひととき清涼を求める。用意したグラスは3種類。カップではなく断然グラス。夏はガラスの器じゃよ。200ccのコーヒーカップ、350ccのロンググラス、そして500ccのビアグラス。その日の気分でお好みの器を決めるのが、お茶大好きフリーター、ワシの流儀じゃ。この日は、ロングカクテルを飲みたい気分もあって、真ん中の350ccのグラスでイッキに水出し番茶を飲み干した。するとどうじゃじゃ。ワシがこれまで敬遠していた水出し番茶特有のナマっぽい(ナマなのだから当然じゃが)青臭さを感じることもなく、ほんのり甘く奥ゆかしい春の番茶が溶け出していた。ワシが思うにおいしいお茶の要因は、1、「いつもより茶葉を少なめにしたこと」。2、「酷暑の日々に水温も気温なみに上昇、なまぬるい水で茶を出ししたこと」が、疲れたワシの心をもみほぐす絶妙の味わいにつながったのではなかろうかい。
もちろん、「ゆっくりと茶」が無農薬・自然栽培茶で、がぜん健康的であることや、とくに「春の番茶」は、茶樹を越冬させて翌年の春収穫することで大地と空間のエネルギーをがっぽり吸収しているといった超自然的恩恵など、ワシの心にプラシーボ的作用をもたらしたと言えなくもない。さらに、科学的な観点からも、水出しの番茶には、血糖値をおだやかにするポリサッカライドが含まれておるので、体調が改善するのも当然と言えば当然なのだが、今回ばかりは、すべてを超越した何かがワシに手を差し伸べていた。茶葉を少なくしたことで茶葉さんたちが頑張ってくれて、茶のおいしさを引きだしてくれたのかもしれぬ。茶葉のやさしさが、ゆっくりとワシを元気づけてくれたのじゃと思いたい。
8月に入ってからは、連日2リットルのヤカンで朝夜2回、水出し春番茶をつくり飲み続けた。このお茶のおかげでワシは、厳しい夏の後半を乗り切った。夏バテにやられがちな季節の変わり目、なぜか心沈む秋の憂いにも屈することなく、水出し番茶を心の友にどうにかこうにか生き抜いておる。ワシにとって春の番茶は単なるお茶、ではなくなった。同志というか、気心通じ合った心の友となった。
さあみなさんも、思いがけない出来事で心をすりむいてしまったら、少々淡いめ、春の番茶に癒されてみませんか。
春の番茶 180g 760円
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阪急石橋駅から箕面駅までの4kmを結ぶ阪急箕面線。途中の停車駅は、桜井と牧落の2駅。所要時間はわずか6分、つかの間のレイルウェイ。箕面は知る人ぞ知る観光シティーじゃ。ランドマークの大滝は四季を通じて行楽客が途切れることはない。大滝は日本の宝、世界の宝、トレジャー・シティー箕面の大滝っ!「くちびるツンととがらせてぇ〜」、おっとこれは大滝詠一、とんだ滝ちがいじゃった。
さて今回は、別れの気配をポケットに隠して、もみじ天ぷら食べながらトレジャーハンティングへとご案内しよう。向かうは終着箕面のひと駅手前の牧落駅。駅そば徒歩2分の好立地にあるリサイクルショップ「くるりん」は、お宝がいっぱいじゃ。
「くるりん」は、1995年、豊能障害者労働センター(以下、労セン)がリサイクルショップとしてオープンした第1号の店じゃ。「くるりっと商品がまわるように!」という願いを込めてのオープン。高級ブランド品の数々、しかも値段は格安とあって近所でも評判の店となる。
23年前の当時は、まだリサイクルショップなどほとんどなく、古物商としての営業が大半じゃった。そのなかで「くるりん」は、ブランドものを扱うブティックをめざした。「百貨店にも負けない店にしよう!」それがスタッフ間の合い言葉となり、必ず繁盛させるという覚悟が芽生えた。オープンから「くるりん」の店長を務めるKさんもそのひとり。Kさんは、2009年、労センの機関誌「積木」でこう語っている。
2009年7月10日(積木No.210) 「くるりん」K店長
『障害者が働いてお金を得てそれをもとに生活している姿を応援してもらいたいのです。障害者が何もできないのではなく、皆さんと同じように「社会」に出て活き活きしている姿を見てもらいたいのです。皆さんの応援によって私たちは一歩前進することができるのです。』
寄稿から9年を経たKさんに、今回ワシは、あえて「くるりん」の課題を問うてみた。Kさんは少し言いにくそうに、しかし言葉をえらびながら答えてくれた。
「『あんたら無料(タダ)でもらったもんにようこんな(高い)値えつけて売るな…』と、たまに言われることがあるんですわ」と。Kさんはリサイクルショップの店長として、ごく少数ながらも「タダのものに値段をつけて売るなんて」という批判を真摯に受け止め、厳しい現実と向き合ってきたのだった。実は以前、リサイクル担当スタッフのTさんからも同じ話を聞いていたのでワシはさほど驚きはしなかったのじゃ。ワシ自身、労センでバイトを始めた頃、1年ほどリサイクル品の回収を経験した。週に1度リサイクル品回収のため提供者の家を訪問しありがたく品物を受け取って帰るのが日課となった。
「長年大切にしてきた高価なものだから…」と、提供者から思い入れたっぷりの話を聞き、「はい、大切に売らせていただきます。」と、品物を受け取った時、ワシはいつも感じていた。「ほんまにええもんなんや、くれぐれも二束三文などでは売ってくれるなよ!」という持ち主の親心にも似た熱い厚いメッセージを。
品物を提供する人とそれを買う人。立場の違いでその値段への感じ方は違ってくるとワシは思う。リサイクル担当者の思いも同じはずじゃ。人々の想いを反映できる、その品物にふさわしい値段をつける。それが安いか高いかは買ってくださる方に判断していただくしか今のところ道はないのかもしれぬ。
四半世紀、店長として「くるりん」とともに歩んできたKさん。Kさんの『今以上に明るく入りやすい店になる事を目指したい』という願いを込めた大リニューアルが、去る8月9日、10日に行われた。
◆お盆休み前の2日間。店内のリニューアル作業が急ピッチで進む「くるりん」。
23年もの時間を経れば店内も古びてくる。ペンキははげ落ち床も黒ずむ。それは人も同じことじゃ。ワシを見てみい、老いさらばえて朽ち果て悪臭を放ち、いささかひがみっぽくもなる。あたかも便所のように。あるいは長年の酷使に耐えきれず表面がどす黒く垢に染まったレジカウンターのように。身も心も衰えること甚だしい。悲しい限りじゃ。労センのスタッフは、そんなワシを尻目にリニューアルに邁進してくれた。
Before ⇒ After レジカウンターもご覧の通り
なんといってもレジカウンターはくたびれていた。が、しかしである。見よ、この大変身。店内すべてが明るくなったと錯覚するほどレジカウンターはまぶしい。特に天板は神々しい。この板を見つけだすのには苦労した。探してきたのはワシじゃから。側面は、ブー・フー・ウーでお馴染み、三匹の子ブタの家をほうふつとさせるおとぎ話チックにまとめてみた。
なんとも言えぬ複雑なニオイに満ちていた便所は、すみずみまで洗い拭き清められ、床には防水マット、タイルの壁は、ブー・フー・ウー仕様。レジカウンターで余ったシートを有効利用させていただいた。
Before ⇒ After 床と壁を貼り替え便器もピッカピカ
店内やトイレは見違えるような輝きをとりもどした。レジカウンターも見違える。
「くるりん」は、これからもK店長を先頭に、地域の人々へ掘り出しモノ発見の喜びを提供し続けていくに違いない。
閑静な住宅街の一角で産声をあげはや23年。これからも多くの人々に愛され、地域のショップであり続けるための大改造にも大成功!とは言っても、別にワシがリニューアルをしたわけやない。ワシはしがないアルバイトじゃ。専従のスタッフさんに言われるままにペンキを買いに走ったり、レジカウンターの天板を痛い腰をかばいつつひとりきりで運んだだけのこと。どうせワシはただのパシリに過ぎぬおいぼれじゃ…トホホのホじゃ。
営業日時 月〜土 10:30〜18:00(日祝休業)
電話番号 072-724-9543
〒562-0042大阪府箕面市百楽荘1-2-7-103ハイツ弥生
「何も言えなくて、煎茶の夏」
夏が来た!今年の夏はすこぶる暑い。そんな暑い夏にピッタリの名言を知っとるけ?『毒をもって毒を制す』、これじゃ。暑い夏こそ熱いお茶を!!と言いたいところじゃが、さすがのワシも今年の夏だけは、そんな強がり言うてはおられん。まだ夏は始まったばかりじゃというのに、ワシはすっかり夏バテ、何を言う気力も体力もない夏が来た。
毎日が灼熱地獄、熱波の夏。真っ赤に燃えた太陽だから真夏の海は、恋の季節なの〜などと踊っている場合ではない。誰もが熱中症の危険にさらされている。そんな暑すぎる夏の昼下がりには、氷を浮かべた冷たいお茶でひとときうだる暑気を払い去り、ほのかな甘みとさっぱり渋みに酔いしれたいものじゃ。
というわけで今回のテーマ、「何も言えない夏、ゆっくりと煎茶の水出しでおつかれサマ〜」。めっちゃ字余り…
ところで、さっそくワシ事で恐縮じゃが、過去には「耕心茶こそ一番じゃ!」とか、「お茶を飲むなら断然ほうじ茶だぁ!」など、移ろう季節の折々に洞察力に満ちた数々の提言を試みてきた。ある人はワシのことを変節漢と蔑むであろうか?すべてはワシの一途なお茶への愛情表現じゃ。それゆえに、このクソ暑い夏だからこそ飲みたいお茶がある。それは、誰がなんと言っても、誰も何も言わなくても、水出し煎茶が一番とワシは声を大にして訴えたい。「ゆっくりと煎茶」なら、なおさらに申し分ないぞよ。
さて、そもそも煎茶とは、どんなお茶か?ただ緑色をしただけの、じいじやばあばが好んで飲む渋い飲み物と思いこんでいる人も少なくないじゃろう。年寄りが好む渋い飲み物、それが煎茶と思いこんではおらぬかえ。実はワシ、知ってしまったのじゃ。煎茶のうまさを…。「だから煎茶は、年寄り好みのお茶なのだっ!て言うんだよ」と毒づく声も聞こえてきそうじゃが、そうではないんだ、違うんだ。煎茶の美味しさは、とろっとした甘みと、さっぱりとした渋み。その両者の絶妙なバランスにあった!ということを知ってしまったのじゃ。
ちまたでは渋みとうまみのバランスとさっぱりした後味を引き出すためには、70℃前後のお湯をそそぎ、1〜2分おくのが良いと言われておるが、果たしてそれだけか?煎茶の魅力というものは…
さにあらず。煎茶本来がもつ上品な甘みをより多く抽出することができたらどうじゃろう。とろっとした甘みのある煎茶が飲めるんじゃ。極論すればつまり、玉露や抹茶と見まがうような贅沢なうまみを堪能できるということになるんじゃよ。煎茶を水出しすれば玉露になると語る高名なお茶の専門家もいるくらいじゃ。
では、そのためにどうするか。答えはカンタン、水出しじゃ。渋み成分のカテキンは、熱湯によくとける。反対に甘み成分のテア二ンは水で溶ける。水出しした後の茶葉は、二煎目で熱湯を注いでもらえば十分渋い煎茶を楽しめる。ひとさじで2度おいしく、しかも安心できるお茶、ゆっくりと煎茶は、無農薬の自然栽培じゃから、熱湯消毒など余計な心配も不要。水出しでがぶがぶ飲むがよろしかろう。
ゆっくりと煎茶 760円(100g)
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は〜い!カラオケ大好きフリーターのカタやんで〜す。「とよのマル秘情報ファイル」、気がつけばはや第6回。今日も元気に豊能障害者労働センター(以下、とよの労セン)の素顔をあばいていくぜ!
さて今回は、箕面市坊島にあるリサイクルショップ「ぶらぼう」の巻。そもそもブラボー!というフレーズは、コンサートなどで歌や演奏が終わった時に発する大音声、ブラヴォォォォーじゃ。イタリア語でBRAVO(ブラボー)。日本語ならさしずめ、「お見事っ!」とか、「いよっ日本一!」、「松島家!」など、喝采のかけ声みたいなもんじゃろう。
おお、そうじゃ。「喝采」といえば、誰もが知っている昭和の名曲、1972年日本レコード大賞受賞曲、「喝采」を避けては通れぬ。
♪いつものように幕が開き、恋の歌うたうわたしに
届いた手紙は、黒い縁取りがありましたあああああ〜
うおー、涙ちょちょ切れ、名曲じゃ。拍手喝采、大喝采!ちあきなおみ様の「喝采」は、ワシのハートをわしづかみ。おお、ワンダフル!すばらしい!!感動したぁ〜!!!ブ、ブ、ブ、ブラヴォォオーーーーッ!!!とまあ、こんな時に叫ぶのがブラボーじゃ。
この喝采のかけ声を敢えてひらがな表記の「ぶらぼう」として、箕面市を東西に結ぶ交通の要衝、坊島に店を出したのは2002年。誰もが気軽に立ち寄ることができ、坊島地域の活性化をも狙ったフラッグショップ。「ぶらりぼうのしま」なるキャッチフレーズも功を奏し、店の前には箕面のセレブたちも高級車を横付けする人気店。まさに坊島のランドマーク、それがリサイクルショップ「ぶらぼう」じゃった。さらに驚愕の事実が判明した。なんとセレブたちのお目当ては、箕面のヨンさまじゃと言われておったらしい。ヨンさまといえば、あの「冬のソナタ」のチュンさんやぞ。チョン・ユジンさんの恋人役のイケメンじゃ。
というわけで、さっそく真偽を確かめるべく、ワシは「ぶらぼう」の潜入取材を行った。「ぶらぼう」でワシを出迎えたのが店長のI君。
「いつもすみません。」I君は言った。ワシは、とよの労センでは一介のアルバイトに過ぎぬ。ところがI君は、そんなワシに対しても腰が低い。丁寧で一途な男性じゃ。やせ形、くるりとした目、きまじめにして謙虚。傲慢なワシですら思わず腰を折ってしまう人徳と人並みはずれた謙虚さが、I君にはある。
さっそくワシは、I君に聞いた。「Iさん、『ぶらぼう』の特長はなんでっしゃろ?」
「そうですねえ…昔からいろんな和服を販売していることじゃないでしょうか。」
「ほう…」と興味深くうなずくワシじゃが、真の目的はそこではない。「ところで、Iさん。この店に箕面のヨンさまがいたという話、知っとるけ。」
「箕面のヨンさまですね、はいはい…」衝撃発言じゃった。本当に箕面のヨンさまはいるらしい。驚きのあまり絶句するワシ。
「以前、カラーチラシの撮影でマフラーを巻いたことがあるんですが、あまりに決まりすぎて自分でも驚きました。ヨンさまそっくりでした。」
「????」ひょっとして、ヨンさまというのはI君自身?なんとウワサの出どころはご本人かえ?え、え、え、え。I君の自画自賛ぶりはお見事っ!というほかに言葉が見つからない。もし、別の言葉があるとしたら、ブ、ブ、ブラヴォォオーーーーッ!じゃろうよ。
ぶらぼう 箕面市坊島3丁目21-5 ☎072-720-7739
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さて今回は、お待たせしました久々お茶の話。
お茶と言えば、その起源は今からざっと5000年前。紀元前2700年頃にさかのぼる。中国の神話時代、お茶は薬として飲まれておったそうな。5000年という壮大なスケール、時の重みこそが、奥深きお茶の味わいそのものじゃろう。
とはいうものの、数あるお茶の中でワシが生涯忘れられないお茶はただひとつ。幼少のみぎり、毎日、オカンが、ヤカンいっぱい作ってくれたほうじ茶こそが、我が愛しのお茶じゃ。“ミルキーがママの味”なら、さしずめほうじ茶は、オカンの味。こいつを出されたらワシの涙腺はもうアカン。
茶経 全訳注 (講談社学術文庫)
中国唐代、「茶聖」陸羽によって著された世界最古の茶書『茶経』を、豊富な図版とともにやさしく読み解いた現代人の必読書。
さて、このほうじ茶、番茶の茶葉を160℃〜180℃で5分〜10分間、焙じて作るが、科学的には、番茶に含まれるアミノ酸と糖分のふたつの成分が熱に反応し、香ばしい匂いが生まれるという。加熱することで苦味や渋味が薄れ、ほうじ茶ならではの香りがグッと引き立つ。さらにこのほうじ茶には、長き歴史と伝統を誇る多くのお茶とは一線を画す重大なる秘密があったのじゃ。
時は昭和4年ごろ、昭和恐慌と呼ばれた大不況時代のことじゃった。当時、高級な飲み物であったお茶は、不況のため売れゆきが激減、茶商の倉庫は在庫の山となった。困り果てた京都の茶商が、茶葉を大学の研究室に持ち込み、茶の再生を依頼したという。
ところが、ひとりの助手が、湿っけていた茶葉を鍋で乾燥させようとしたところ、うっかり鍋の中で煙が出るまで焦がしてしまったから、研究室は上を下への大騒ぎ。
「こりゃ、もう飲み物にはならんで…」と思いつつお湯を注いでみたら摩訶不思議、芳ばしい香りあたりに立ちこめさっぱりした口当たりも好評じゃった。まさにひょうたんから駒で、ほうじ茶は生まれたそうじゃ。
なんと100年に満たぬ歴史のほうじ茶と、5000年の伝統を誇る銘茶。あたかも1歳の赤児が50歳のおやじにケンカを挑むようなもんじゃ。ところが、ほうじ茶は、瞬く間に衰退する茶業界を席巻した。あたかもキャンディーズやピンクレディが国民のハートをわしづかみにしたように、茶界のスーパーアイドル、HOGは誕生した。人気の秘密は、青臭くない斬新な香り!アイドルは常にスカッとさわやかでなければならない。しかもほうじ茶はノンカロリー。カフェイン・タンニンなどの苦みや渋み成分も少なく、幼な子から高齢者まで、幅広いファン層の獲得に成功した。
とりわけ、とよの労センが販売する「ゆっくりとほうじ茶」は、農薬の心配もなくがぶがぶ飲める。この安心感はなにものにも代え難い。
茶界のアイドル、ほうじ茶は、激動の昭和を生きる人々の心をとりこにした。キョンキョンにも匹敵する、♪なんてったってア〜イド〜〜〜ル。なんてったってHOG(ホ〜ジィ)、イェイ!
ということで、キャンディーズやピンクレディ、さらにはキョンキョンにも匹敵するほうじ茶は、日本茶界初のアイドルだったということにガッテンしていただけましたでしょうか。ガッテン!ガッテン!ガッテン!
180g 760円(税込み・送料別)
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今回は、リサイクル事業の舞台裏パート2。とよの労センには、創立の頃から30年余も続いてきた伝統の難行、チラシまき!がある。世間ではポスティングなどと舶来語を使っておるが、とよの労センでは昔も今もチラシまき!一本じゃ。一軒一軒こつこつとリサイクル事業について知ってもらうため地道な努力を続けてきた。
ところが、このリサイクル事業、100円ショップの乱立や消費者のブランド離れが災いし今や崖っぷち、逆境に立たされておる。そんな厳しい現状を感じつつ、去年7月、ワシもスタッフのH君とふたりで初のチラシまき!に挑んだ。
真夏の炎天下。場所は蛍池界隈の住宅地。一度に1000枚のチラシを配って歩く。チラシの詰まった布バッグは重かった。バッグを持っているだけで汗が噴き出した。おまけにその日は夏一番の猛暑だったため、いきなり全身汗びっしょり。熱中症と背中合わせの生死を賭けた難行苦行とあいなった。
灼熱地獄の昼下がり、入道雲を突き刺したかと思えるほどの高層マンションを見つけた時はうれしかった。「これでチラシの100枚や200枚は一挙に配ることができる。やったぜ、Hさん!」とワシが叫ぶ。H君もなんか言うたが聞きとれんかったが、「地獄に仏とはまさにこのこと。神のご加護じゃ、ズビズバ!」。
が、しかし、現実は冷酷じゃった。郵便受けに記された非情な一文。チラシ、勧誘いっさいお断り。
「オーマイガッ!」
「このマンションはダメですよ。」H君は冷静だ。さっき何か言ったのはこれか。蜘蛛の糸がプツンと切れ、真っ逆さまに血の池へと転落したカンダタの思い、しかと受け止めたぞよ。ワシの目からは一筋の涙。
「どーしたんですか?」とH君。
「なんのこれしき、心の汗じゃ。」ワシは、そうウソぶいた。
血の汗流せ、涙をふくな、行け行けカタやん、どんとゆけ!炎天下の住宅街をさまようこと1時間30分。ワシもH君も脱水状態でヘロヘロじゃ。そこにこつ然と現れる清涼飲料水の自動販売機。
「救われた。神のご加護じゃ、ズビズバ!」。
「Hさん、なんか飲まへんけ?」
「のど乾いてるけどお金持ってない…」と答えるH君。
「オーマイガッ!」。ワシは絶句した。が、仕方ない。なけなしの300円を出して言う。
「なに飲む?」H君は答えた。
「○○レモン」。一番高いやつだった。なんてやつだ、遠慮ちゅうもんを知らんのか。プリプリ…
こうしてチラシまき!は夏じゅう続いたが、年寄りは危いと思ったか、その後ワシに声はかからんかった。
秋。台風による甚大な被害を乗り越え、スタッフ間の絆は深まった。
冬。昼なお凍てつく北摂の町は日中でも摂氏1〜2度という日々が続いた。チラシまき!も続いた。スタッフは寒さをものともせず歩いて配って、ふるえながら帰ってきた。逆境がスタッフを強くする。これこそが労センの財産だ。胸の奥からこみあげてくる熱いものにワシは酔いしれていた。
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さて、とよの労センは、様々な事業を手がけておるが、その1つがリサイクル事業。リサイクル品は、すべて一般の方々からご寄付いただいたもの。みなさんのご厚情には深く感謝じゃ。このリサイクル品を集約、仕分けしているのが「ピンクポコペン」。30年前には、スーパーマーケットだったという超弩級の年季が入った建物を、店舗&倉庫として再利用したという、これぞリサイクル魂さく裂の店である。
店名の由来は、中国語のプウコオピエン(元値に足らず)という言葉からきているらしい。原価を割ってでも商品を買ってもらおうという見上げた心意気だが…実はしかし、隣り町の池田市に「ぺんぽこハウス」という変てこな名まえの店があり、その名まえをまんまパクって逆にしただけという衝撃の証言も入手済みじゃ。
かくもうさん臭く、謎に満ちた店、「ピンクポコペン」には、いつかとんでもない事件が起きそうな怪しい気配が漂っておった。
日曜・祝日の休業日以外は毎日、眠れるお宝の数々を、店と倉庫が一体となったピンクポコペンのバックヤードで、スタッフが仕分け値付けをしておる。地味で目立たない実に根気のいる作業じゃ。万事がええ加減で大ざっぱなワシには到底マネできぬ仕事じゃわい。
そんなピンク倉庫にとうとう悲劇は訪れた。
2017年10月22日、近畿地方に最接近した大型の台風21号が、倉庫に牙をむいたのじゃ。トタン屋根が飛ばされ倉庫は水びたし。かなりの量の在庫が売り物にならなくなった。惨状の中、ある者は茫然と立ちつくし、ある者は泣きながら後片づけを始めたが、商品を寄付してくれた方々に申し訳なく思う気持ちに押しつぶされ、スタッフはみな働く意欲を失い、そして途方に暮れた。
そんな時じゃった。ずぶ濡れの倉庫で衣装ケースにたまった雨水をバケツで掻き出し、雨水が流れ込む床をただ黙々と拭き続けるスタッフの存在。朝は一番に出勤し床を拭き、夜は最後まで後片付けをやめなかった大男、H君。ポッキリ折れたみんなの心は、彼のひたむきさに救われて、リサイクル魂は蘇った。
◉屋根のトタンがふっ飛び、倉庫の中は水びたし
明けて2018年1月10日、台風襲来から79日後、倉庫は復旧し通常営業にもどる。屋根は大家さんのご厚意で以前よりもきれいになった。そして、倉庫のスタッフたちは、これまでよりほんの少し太い絆で結ばれた。
地道な作業を厭わないスタッフのおかげで、昨日も今日も、そして明日も店は開き、プウコオピエンで超お買い得品を販売できる。実にありがたいことじゃ。最後にもう1度、商品をご提供くださったみなさまに深謝。
次回も「ピンクポコペン」の続報をお届けするぞ。乞うご期待!
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は〜い!お茶大好きオヤジ、カタやんで〜す。「とよのマル秘情報ファイル」No.2は、前回にひき続き、豊能障害者労働センター(以下、とよの労セン)イチオシ、「春の番茶」その2!さっそくスタートじゃ。
いきなりじゃが、とよの労センの専従でワシをカタ呼ばわりするF君は、体験入居という制度を利用し、時おりグループホームに泊っているらしい。そのF君、ワシを見ると決まって「カタさん、明日のグループホームのメニューなに?」と聞いてくる。「知るか、そんなもん!」とも思うがワシも大人じゃ、ぞんざいな受け答えは慎むべきじゃろう。そこで、「昨日のことは覚えちゃいねえ、明日のことなんてわからねえな」とニヒルに答えるワシ。昨年から労センがいっちょかみして始まったグループホームは、障害者たちがいろんなことを経験し、運がよければより楽しく生きるためのスキルが身につく可能性のるつぼと言えよう。入居者たちはみな未来を支える原石じゃ。
原石といえば、お茶にも原石の名にふさわしい逸品がある。「春の番茶」もそのひとつ。この「春の番茶」、まるでF君のように突拍子もなく味わい深い。器にそそぐと淡い黄緑、見てるだけで心がなごむ。
180g 760円(税込み)
そもそも番茶とは、硬い葉や古くなった葉で作られた普段使いのお茶じゃが、春番茶は、新芽の時期からおよそ1年を経た翌春まで、あえてひと冬摘み残した茶葉で作られる。「獅子はわが子を千尋の谷に突き落とし」、「かわいい子には旅をさせよ」の喩えもある。「ローマは一日してならず」。一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる。人生は、ワン・ツーパンチ、お茶は凍てつく冬を忍ばせろ!ちゅうわけじゃ。つまり、茶葉の受けたストレスがよりおいしいお茶に変身した、それが「春の番茶」。
「春の番茶」は、そそぐお湯の温度によってその味わいが大胆に変化する。初めて飲みくらべた時、ワシはその違いに驚き、興奮を押し隠すことができんかった。まず、ぬるま湯を差すと甘いお茶になり、熱湯をそそぐとほどよい渋さのお茶に様変わり。カタやん、感激!
実は最近、ワシ、浮気をしとるんじゃ。ぐふふふふ。ワシも老い先短いわけで、いろんな経験してみた〜い。「ゆっくりと茶」販売のアルバイトという身でありながら、ワシは不忠にも、屋久島と宮崎のお茶を買った。もちろん無農薬を選んだし、有機か自然栽培のお茶を探して飲み比べた。茶の味は、実に千差万別じゃった。有機栽培茶は、茶葉の味をしっかり考え仕上げられていた。肥料を入れると言うことはチッソ分を増やすということ。チッソ分が多ければ旨みは増す。一方、とよの労センの「ゆっくりと茶」は自然栽培、肥料は使わない。そこがまあ、ワシがお茶の原石になぞらえるゆえんでもあるんじゃが、あえてよそから栄養素を持ち込まず、あるがままの味を楽しむ。他のお茶にはないまろやかさは、舌で味わうだけではない、からだ全体が喜びを感じるお茶。かのブルース・リー先生もおっしゃっておる。Don’t think,Feeeel、 感じろ!と…
ぜひ「春の番茶」を、一煎目は、ぬるいお湯で甘みを感じ、二煎目は、熱い湯でガツンとくる渋甘の魅力を感じ尽くしていただきたい!
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『えっ、あんたはいったい何者か』って?…カタやんは、週に数日とよの労センでアルバイトしている老いぼれフリーターで〜す。専従スタッフのF君が、初めて会ったその日からワシのことをカタさん、カタさんと呼ぶので、カタやんと名のることにした。カタは堅苦しいのカタかもしれぬし、アルバイトゆえ肩身の狭さがF君にそう呼ばせたのかもしれぬ。が、ひょっとするとFのヤツ、ワシの名まえを間違えているだけじゃないのか?ケッ、ナメやがって…まっ、いいか。
というわけで、ワシはフリーターのカタやん。好奇心旺盛、好きになったらとことん愛し抜く。お茶もそのひとつ。15年間で買ったポット・急須の類は20個以上、一日に飲むお茶・コーヒー、冬なら2リットル。夏場は4リットルを軽く越えるお茶依存症よ。昭和生まれのカタぶつが、吠えてかみつく負け犬遠吠え大合戦、記念すべきNo.1は、番茶にまつわるマル秘な話、さっそくスタート!
とよの労センで一年中コンスタントに売れている一番人気のお茶は、な〜んだ?
たぶん「春の番茶」かな。その理由は、ワシが大好きなお茶だから、ガハハハハ…。昔からよく言うだろう、「鬼も十八、番茶も出花」。醜いもののたとえである鬼も、年頃になりゃ美しくなる。番茶もいれたては良い香りがするということわざで、人は誰も大人の階段を前に、その人本来の魅力を発揮するんだという青春の真理を説いた名言さ。胸の奥底にジーンときて、涙がちょちょ切れるだろう。ああ、番茶の香りがワシを誘う。あの頃ワシも若かった。男前で髪の毛ふさふさ、筋骨隆々。運動会では常に先頭走るヒーローやった。ぐふふっ。嘘だよ…
真夏の日差しをたっぷり受けたくましく育った茶葉でつくる番茶は、まさにワシの青春そのもの。「煎茶」みたいなエリートでもなし、「耕心茶」のような文化勲章功労者とも縁がない。しょせんワシは番茶だから、トホホな番茶だから…が、しかし、「春の番茶」は違うんだ。新茶を摘んだあとの二番茶葉を、翌年春まであえて収穫せず、風雨にさらしてひと冬を、越して摘み取りお茶になる。その味わい深さはこの上なし。甘さとホロ渋さが胸の奥の方でとけ合った「春の番茶」は、ワシにとって…まさしく、「青春の番茶」なのであります。
180g 760円(税込み・送料別)
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バッグのボタン作りをしている
福島県の『須賀川B型事業所ネットワーク』と
バッグの縫製を担当している
宮城県の『アトリエうっ布2(うっふっふ)』
を訪ねました。
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ある日ある時、クリマバッグをめぐる販売員とお客さんの会話。
販売員:「毎度!今度の新商品は『クリマバッグ』言いますねん。」
お客さん:「クリマ?はいはい、コーヒーに入れるアレね。」
販売員:「ちゃいます、ちゃいます。それはクリーム…これはクリマです!」
お客さん:「ああ、串焼きのおいしいアレ?」
販売員:「それはネギマや!」
お客さん:「…」
販売員:「お客さん、何だまってはるんです?」
お客さん:「ちょっとタンマ、休ませて。」
販売員:「あのね、ここだけの話ですけどね、クリマいうのはスワヒリ語らしいんです。」
お客さん:「スワヒリ語!」
販売員:
「スワヒリ語はアフリカのことばで、
日本語の耕す!という意味なんやそうです。
ちなみにスワヒリ語の『ジャンボ!』は、こんにちは!です。
ジャンボ!ジャンボ!」
お客さん「ジャンボねえ…」
販売員:
「クリマの話に戻しましょう。なんとこのクリマという名まえは、
バッグを製作している豊能障害者労働センターの今年のテーマ
『つながれ心の天然色〜いのちを耕す人のかたち〜』の
「耕す」からつけたそうですよ。クリマとは、耕すだったんですねえ。」
お客さん:「それで?」
販売員:「それだけです。」
お客さん:「…」
販売員:「おひとついかが?」
お客さん:
「買ってあげたいのはやまやまなんだけど、
昨日、豊能障害者労働センターの通販でバッグを買ったとこなのよ。
これなんだけど、どう、似合う?」
販売員:「わお!これクリマバッグやないですか!」
お客さん:「クリマ?コーヒーに入れるアレ?」
販売員:「何でやねん!」
ご注意。クリマバッグは、一般の商店、通信販売では、販売しておりません。
お求めは、豊能障害者労働センターまで。(5月上旬からの販売になります。)
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